水田転換畑等の圃場排水性の向上が求められる中,圃場排水性を体積含水率の変化から定量的に評価した研究例は見当たらない.本稿では,兵庫県たつの市の水田転換畑14圃場(大豆作6圃場,小麦作8圃場)を対象に,圃場中央付近の10 cm深に設置した土壌水分センサーによる体積含水率のモニタリング結果に基づいて,降雨イベントによる体積含水率の上昇幅に対するイベント後の減少率の経時変化を,指数関数により近似して表すことで,上昇幅に相当する量の体積含水率の減少に必要な時間t100 (h)を算出し,圃場の排水性を評価する手法を提案した.t100による評価と,対象圃場を熟知するたつの市集落営農連絡協議会のメンバーからの聞き取りによる法人毎の圃場排水性の達観評価は概ね一致し,当該手法が圃場排水性を評価できることが確認された.