1990 年 1990 巻 149 号 p. 61-66,a2
融雪水のピーク流量を把握することは, たとえば土壌流亡に対する防炎あるいは保全面で重要である。そこで実験地区に新潟県中魚沼郡津南町沖の原地区の畑圃場(20.8ha)を選出し, 時間単位の流量と日射量を融雪期間中連続観測した。融雪には日射が大きな要因と考えられるため, 気温時間法を用いた式に日射による融雪の項を加えたモデルを解析した。しかし実流域の目射量記録を得ることは困難であるため, 推定日射量を日照時間や, また1日の気温変化量から容易に求める新たな方法を考案し推定した。気温変化量による推定日射量を用いた流出解析の精度は, 日照時間によるものとほぼ同程度であることから, 気温変化量を用いたモデルの有用性を示した。