1992 年 1992 巻 162 号 p. 9-14,a1
最近, 下水道関連施設におけるコンクリート腐食劣化が各地で問題化している。特に, 工業排水を受入れる施設においては何らかの対応にせまられている。兵庫県が施工している揖保川流域下水道事業は, 皮革とその関連工場からの排水を受入れるべく計画されている。そのため, シールドトンネル二次覆工コンクリート面防食の必要が生じた。対策工として, 防食材料の選定, 試験塗工を実施し, それらの成果を基に本塗工を行った。本論は, それら手順を経たにもかかわらず本塗工終了後に発生したコンクリート面樹脂の部分剥離についてコンクリート性状(透水係数等)からその原因を検討したものである。