抄録
土地利用形態の異なる10地点の表層土を対象として,1990~1991年度,季節ごとに土壌の団粒の形成と保持に関与すると考えられる6項目,18因子の測定値について検討した。その結果,(1)土地利用形態の変化に伴い,団粒と三相分布に関する諸因子が変化する。(2)土壌の生物活性度,Al含有量,有機物含有量が団粒の形成保持に関与している。(3)生物活性度は温度によって著しく変化し,団粒率と平均質量直径の季節変動の原因になっている可能性があることが判明した。
これらの結果から,春季に有機成分とAIとを施用することが,土壌の団粒の形成と保持に有効であることが想定できる。