空力法は,接地境界層における風速,温度および各種気体濃度の測定データから顕熱や各種気体の輸送量を推定する方法である.この方法が草丈の高い植被 (あるいは粗い表面) に拡張されるときには,高さの原点を修正する因子として地面修正量dが導入される.
中立成層時に測定した風速分布を高さzの対数の2次式および指数型の経験式でいったん近似し,これらの近似値を用いて対数分布則からdを決定する実用法を提案し,検討した.この結果,風速の測定精度がよくない場合でも,カルマン定数kが0.39のとき指数型の経験式を用いる方法で,また,k=0.35のとき二つの経験式を合せて用いる方法によって妥当なdが決定できた.