農業土木学会論文集
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直播栽培下の熱帯モンスーン水稲二期作における潅瀧不能乾期作回帰年の推定方法および水不足解消対策について
マレイシア・ムダ地区の事例
笹野 伸治
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1994 年 1994 巻 174 号 p. 1-14,a1

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抄録

貯水池依存の水稲一期作の場合,潅漑期初日には貯水池は一般に満水状態でなければならない.そしてある干ばつ年がN年回帰の計画基準年と定められる.この計画基準年において,用水は確実に供給されねばならない.しかし,二期作においては,潅漑期の初日に貯水池は必ずしも満水状態にあるとは限らない.貯水池の貯水量は通常は乾季に低下し雨季と休閑期に回復する.貯水量はこの上下動を毎年繰返している.計画基準年という概念が適用できない.これに代るべき何らかの新概念と計画手法が考案され提案される必要がある.
この報告においては,マレイシア・ムダ地区におけるケーススタディとして,貯水池における水需給バランスの再点検事例,干ばつ年/豊水年の年次配列に配慮した潅漑不能乾季作の回帰年推定方法,および水不足解消対策の検討事例を提案した

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