抄録
さまざまな土地利用形態に適用可能な,簡便で合理的な貯留関数のモデル定数推定式が確率していれば,実用上好都合である.そこで,流域地形量を活用して表現された貯留関数のモデル定数推定式を造成農地流域へ適用して,それの有用性を検証した.
初めに,定数Pを0.6に固定しても実用上差し支えないことを確認した.そのことを踏まえて,モデル定数推定式による定数Kおよび遅れ時間Tlの推定値と,それらの最適同定値とを対比すると若干ばらつきがみられるが,再現流量ハイドログラフを見る限りは,ピーク流量付近および全体的な流量波形は申し分ないことが明らかになった.このことから,モデル定数推定式の有用性が示唆された.