農業土木学会論文集
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傾斜キャピラリーバリアーの限界長に関する研究
宮崎 毅
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1995 年 1995 巻 179 号 p. 601-608,a1

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抄録

粒径の細かい土層の下に粒径の粗い土層が傾斜境界面を介して接触し, その境界面で上からの浸潤水が下層への浸入を停止させられるような土層条件をキャピラリーバリアーと呼ぶ. 浸入を停止させられた水は, 集積流となって流量を増加させながら境界面沿いに流下し, やがて境界面を破り下層へ浸入する. そのような位置までの水平距離, すなわち傾斜キャピラリーバリアーの限界長をHele-Shawモデルで実験的に測定し, 既存の集積流モデルに流れのサイズ補正と試料の乾燥密度補正を行って予測したところ, 予測精度が著しく向上した. 予測値と実験値の差の原因を考察して残された課題を明らかにした.

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