農業土木学会論文集
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ハス田の現状と圃場整備の問題点
佐久間 泰一豊満 幸雄多田 敦坂口 隆
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1996 年 1996 巻 184 号 p. 579-586,a1

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抄録

低平地のハス田の現状と圃場整備を, 事例調査によって水田と比較しながら検討し, 以下のことが明らかになった.
(1) ハス田の圃場は, 水田に一般にみられるような整備水準に達していない.(2) 農道は軽トラックまたは1tトラックがすれ違うから, 幅員は3.5~4.3m程度あればよい.(3) 地盤が軟弱なため舗装の必要性が高い, 高さを田面より高くすることが要求される, 施工上の問題で建設に費用がかさむなどの問題がある.(4)均平, レンコンの搬出, つぶれ地や工事費からみて少なくとも区画の長辺は100mにはできるが, 下層土に砂質土層のある場合には, 整地の土工が制約され, 区画の大きさが制限を受ける. 砂質土はレンコンの品質を低下させるからである.(5) 排水は地表排水のみを考慮すればよく, 小排水路は浅くてよい.(6) レンコンの品質と収量からみて作土深さは, 20~50cmとすればよいであろう.

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© 社団法人 農業農村工学会
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