抄録
タイ国産の籾殻灰と籾殻燻炭の焼却灰を対象として籾殻灰の特性を調べた. さらに, これら籾殻灰の混入がフレッシュモルタルのフロー特性やブリージング特性および硬化コンクリートの圧縮強度特性に及ぼす影響を実験的に検討した. この結果, 1)籾殻灰は二酸化けい素を90%以上含有し, 高いポゾラン活性を有していること, 2)籾殻灰の混入によりフレッシュモルタルのフロー値は低下し, ブリージング量は著しく減少すること, 3)籾殻灰を混入したコンクリートの圧縮強度は無混入コンクリートに比べて初期材令では同程度かまたはそれ以下で, 長期材令では増大すること等がわかり, コンクリート用混和材としての籾殻灰の有効利用の可能性を確認した.