1997 年 1997 巻 188 号 p. 315-322,a3
石川県内にある約3,000個のため池は, 大部分中山間地に分布しており, その80%が能登地域に占められている. そこで, この地域の4市町から17地区を抽出して水管理のアンケート調査を行った. その結果, ため池にはそれぞれ機能が定められており, 管理者はそれを有機的に結合して管理を行っている. 貯水容量高は平均231mm, ため池回転率は2~3回で集水流域からの流入に依存している. しかし, 渇水年では6月中旬までしか貯水を維持できない. 管理体制から平水年での利用水量を試算すると, それは需要量に相当する水量であり, 将来展望として新たに水源を確保する必要性のあることを提示した.