農業土木学会論文集
Online ISSN : 1884-7234
Print ISSN : 0387-2335
ISSN-L : 0387-2335
数量化理論I類を用いた耕作放棄の発生要因分析
都市近郊農地の耕作放棄防止に関する研究 (I)
九鬼 康彰高橋 強
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 1997 巻 191 号 p. 603-613,a1

詳細
抄録
近年, 農業問題のひとつとして農地の耕作放棄が取り上げられている. これまでの対象は中山間地域が多かったが, 都市近郊でも問題解決の必要性が高まっている. 本研究は, 大阪府の都市近郊を対象に, その放棄の特徴, 農業的側面からみた発生要因の解明, さらに防止のための課題について考察を行った.
まず, 耕作放棄の発生要因を数量化理論I類により集落単位で分析し, 中山間地域の要因との比較を行った.その結果, 農家数や経営面積の増減率の他に, 樹園地の管理粗放化が放棄を助長していること, 中山間地域との比較では共に地形・労働力・収益性という3条件が影響しており, 対象地域間に差がないこと, 今後の防止策には基盤整備, 作業受託組織の育成が必要なことを明らかにした.
著者関連情報
© 社団法人 農業農村工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top