抄録
ロックフィル材は, 我々にとって最も豊富で経済的な建設材料である.洪水ピーク流量の緩和などに用いられる浸透型堤防 (throughflow dam) の設計手法の確立を目的に, その第1段階の研究として, 室内一次元透水試験により, ロックフィル材中の流れの水頭損失特性を調べた.川砂利と砕石を用いた.摩擦損失とレイノルズ数との関係から, 累乗タイプの水頭損失式を提案し, その係数を平均径深の関数として誘導した.Zinggの粒子形状分類等に基づく平均径深の算出方法も提示した.水頭損失式を, 広く使われているWilkins式と比較し, 実務的に良好な適用性を持つことを示した.