抄録
各潅漑地区においては, 一般的な利水計画基準である10年確率を上回る異常少雨時には, 渇水被害を回避したり最小化するためさまざまな対応がとられる. しかし, 各潅漑地区の地理的条件および水管理対応等は同一でないため, 同様の異常少雨の条件下でも地域や潅漑地区によって渇水被害の発生状況は異なる. 北陸地域における1994年の異常少雨をもとに, 潅漑地区の耐渇水性を示す簡便な指標として累計降雨量差を導入し, 地域別に評価した. また, 潅漑地区別の渇水被害面積および渇水対策経費について, これを支配する要因とその影響程度を明らかにした.