農業土木学会論文集
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道央に分布する粗粒火山灰土の構造と熱伝導特性
鈴木 伸治相馬 尅之柏木 淳一中川 進平
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2001 年 2001 巻 213 号 p. 331-340,a2

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抄録
道央に累層状態で堆積する粗粒火山灰土の土壌物理性について検討した.全体として間隙が多く多量の水分を保持する物理的な特徴が認められたが, 物理性は層間で大きく異なり, 層内においては連続的に変化することが確認された.また主な構成粒子である軽石には, 直径10~30μmの表面孔隙や直径3~10μmの活性孔隙が存在し, 孔隙の形態や量は層間のみならず粒径ごとに異なっていた.孔隙は軽石体積の75~90%, 不撹乱供試体では全間隙の10~50%を占めており, 粗粒火山灰土の多孔質性や間隙の多様性は, 軽石の孔隙に起因するものであることが明らかになった.そして, 熱伝導率が飽和に近い状態でも相対的に小さい値を取り, その水分依存性が低くなるといった熱伝導特性についても, 軽石の特性から説明することができた.
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© 社団法人 農業農村工学会
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