農業土木学会論文集
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弾塑性有限要素解析による一面剪断試験の解析
田中 忠次阿部 剛士
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2002 年 2002 巻 218 号 p. 137-143

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抄録

一面勢断試験は一般によく使用される要素試験であるが, 境界条件や内部の応力およびひずみの不均一性等について指摘が多い. しかし内部の状態を研究した例, 特に有限要素解析を用いて解析された例は多くない. 本研究ではひずみ硬化, 軟化を考慮した弾塑性有限要素法を用いた解析を行う. 降伏関数にはMohr-Coulomb条件を, 塑性ポテンシャルにはDrucker-Prager条件を適用する. 解析に用いた供試体サイズは6cm×25cmで, 5種類の境界条件を表現したメッシュを用いた. 解析結果は実験と一致する荷重変位関係を示し、解析結果から得られた内部摩擦角には境界条件による差がないことがわかった, その結果をDavisらやRoweの導いた一面勇断試験の内部摩擦角と平面ひずみ条件の内部摩擦角の関係式と比較すると, 理論式から得られた摩擦角と一致した. 一面勇断試験において応力やひずみは不均一であるが, 試験自体には妥当性のあることが示された.

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