農業土木学会論文集
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独立型太陽光発電の利用方式の検討と家畜ふん尿撹拌曝気装置への応用
奥山 武彦小綿 寿志
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2004 年 2004 巻 234 号 p. 583-590

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抄録

太陽光発電を有効利用するためには, 電力の供給方法と負荷となる機器の改良, 低コスト化が欠かせない. 独立型太陽光発電による家畜ふん尿撹拌曝気装置を試作して現地試験を行った. 撹拌曝気装置は, 撹拌筒の中で撹拌羽根を50rpm以下で回転させながら空気を吹き込む方式により, 1.1kWの太陽電池で駆動することができた. 直流モーターを使用して, 費用のかかるインバーターを省略することができた. 直流駆動では, 太陽電池を並列接続して供給電流を増やすことで, 0.1kW/m2の低日射量でも稼働が可能になった. スラリーの粘度は運転前の1/2~1/3に低下し, 圃場への搬出作業の時間短縮とともに, 圃場散布時の臭気低減も評価された. 蓄電池を備えない独立型太陽光発電は日射量による電圧の変動が大きいが, 定速運転が求められないふん尿処理装置などでの使用に適している.

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