2019 年 29 巻 4 号 p. 305-308
日本国内には多種多様な歴史資料・文化財が現存し,それらは学術研究に資する”学術資料”としてのみではなく,社会的な振興・発展に資する文化資源しても注目されている.その一方,学術資料の保存・継承に関しては,地震などの自然災害に起因する所謂’突発的な資料喪失’と併せて,特に地方において急速に進む人口減少や少子高齢化による過疎化に起因する’緩やかな資料喪失’への対応など,過去の高度経済成長期とは異なった,より現実的かつ実践的な概念および手法の導入が急務である.本発表では,学術資料の整理および活用の事例を地域の現状とともに紹介 する.さらに,それらを基に将来に向けた学術資料の継承・活用のかたちについて,情報資源化・オープンサイエンスの視点から参加者全員で考えたい.