情報知識学会誌
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最新号
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  • 2024 年 34 巻 2 号 p. 111-112
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー
  • 天野 晃, 南山 泰之, 大波 純一, 遠藤 晴義, 長瀬 友樹, 山地 一禎
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 113-120
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     国立情報学研究所では同研究所が提供するNII Research Data Cloud のログを横断的に分析するための専用環境「統合ログ基盤」を整備してきた.本発表では特に学術情報検索サービスのCiNiiのログを対象にした当該基盤の機能を使った分析結果を報告する.当該基盤の特徴は,(1)各アクセスログ(宛先URI)に対してユーザー行動を端的に示すラベル(ボキャブラリ)を付与する機能,(2) アクセスログを意味のある単位でまとめる(「アクセスグラフ」を生成する)機能を持つことであり,本研究ではこれらの機能を用いることにより個々のユーザーの行動をモデル化できる可能性を示す.

  • 長瀬 友樹, 大波 純一, 天野 晃, 山地 一禎
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 121-126
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     国立情報学研究所では,日本の学術情報にアクセスするためのオンラインデータベースおよび検索サービスとしてCiNii (サイニィ)を開発・運用している.このCiNiiはコンテンツの半数が日本語で記述されているため,利用者の多くは日本国内からアクセスしている.本研究では,CiNiiの利用者層を海外に広げるため,日本語以外の言語でもコンテンツを見つけやすくすることで,特に研究データ共有の原則のひとつである「発見性 (Findable)」の向上を目指す.今回,機械翻訳を活用して既存のCiNiiに英語化メタ情報を一括付与し,評価用サービスを開発した.本稿では,評価用サービスの概要を説明し,既存サービスに対するコンテンツ発見機会の向上効果,課題,将来の展開予定等について報告する.

  • 田辺 浩介, 有馬 良一, 岩井 雅史, 佐藤 知生, 三上 絢子, 結城 憲司, 南山 泰之
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 127-134
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     本報告では,日本国内の機関リポジトリへの論文,及びその根拠データの掲載に関する実態調査の結果報告を行う.国内の機関リポジトリ担当者に対して,論文やその根拠データの登録有無,登録する論文の種別や登録のタイミング,登録作業を行う部署などについてアンケート調査を行った.また,機関リポジトリのコンテンツとして「論文」と「論文根拠データ」を例に挙げ,アンケート結果をもとに,これらの登録のユースケースに影響を与える要素を分類した.

  • 本田 正美
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 135-140
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     自治体において,行政サービスに関わる情報提供業務や相談業務について,当該自治体のWeb サイト上でチャットボットを利用する動きがある.チャットボットの機能を提供することで,インタラクティブな応答が可能になるため,Webサイト上で情報提供するだけでは不十分な場合に,問い合わせをする市民に対して適切な情報提供や相談を行うことが想定されるのである.

     広がりを見せる自治体のWebサイト上でのチャットボットの利用であるが,市レベルでは792 団体中の261団体で導入済であることを,本田(2023)「日本の市のWebサイトにおけるチャットボット利用の現状と課題」で明らかにした.村レベルでは183団体中の11団体で導入済であることを本田(2024)「日本の村のWebサイトにおけるチャットボット利用の現状と課題」で明らかにした.この二つの研究から,市と村では導入状況に大きな差があることがわかる.

     本研究では,その二つの研究では対象としていない日本の町に着目し,日本の町のWebサイトにおけるチャットボットの利用の現状と課題を論じるものである.

  • 山島 一浩
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     ARとVRで地域デザインを支援できないかと考えた.ARとVRを使うことで,地域の魅力を伝え,住民参加を促進し,地域課題の解決に貢献するなど,様々な可能性を秘めた技術であるからである.ARとVRで,地域の歴史や文化,自然環境などを,リアルな体験として伝えることができる.まず,各地域で行われている事例を並べ,この可能性を示す.また,ARとVRを実現するのに,いくつかの例を取り上げ,実際の課題を示す.今後,より魅力的で持続可能な地域社会の実現に大きく貢献できることを考えてみたい.

  • 深澤 克朗, 沢登 千恵子
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 147-154
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     本稿は,2019年の第27回情報知識学会年次大会で報告させて頂きました勅撰和歌集データベースシステムについての詳しい機能の紹介と,そのデータベースを用いた計測結果について述べるものであります.第27回会年次大会における報告後,何件かのデータベースに対する問い合わせを頂きました.その後データベースのデータの検証や歌人の性別などの属性情報などを完成させ,また詞書などを追加させました.そして現在ウェブサイトにて,データベースを公開させていただいております.本データベースを用いることにより,さまざまな検索やそれを利用したアプローチが容易に可能となることを実感しました.本報告は,データベースの詳細な機能紹介と若干の計測結果を紹介するものです.本データベースは,おそらく勅撰和歌集データへのアクセスとしては利便性が高いものであると思います.本データベースをオープンデータとして利用して頂き,共同で,さらに進化させていきたいと願います.

  • 長塚 隆
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 155-162
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

    旧植民地教科書は,国内で使用されていた当時の教科書と異なる内容であるなど,独自の研究が必要とされている分野でもあり,当時の教育思想や風俗などを理解する上でも大切な資料となって いる.現在,旧植民地教科書をどのように保存し,広く利用できるようデジタル公開出来るかが,大きな課題となっている.本報告では,現時点での旧植民地教科書や指導書などのインターネットでのデジタル公開の進展状況について日本国内と韓国,台湾などの状況を調査し,今後のデジタル公開の課題について検討した.

  • Xiaoyan YE, Masao TAKAKU
    2024 年 34 巻 2 号 p. 163-183
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     The evolution of ancient book editions over time is a significant topic in the field of ancient studies. With the advent of digital humanities, the imperative to effectively leverage modern information technology to re-examine and illustrate the edition evolution has become increasingly apparent. Nonetheless, existing research predominantly concentrates on detailed description of specific editions, with less attention given to systematically organizing and presenting the complex evolution processes among editions. Hence, this study endeavors to bridge this gap by establishing a data model based on Linked Open Data (LOD) to represent the evolution of ancient books editions over time with Shishuo Xinyu as a case study. We designed the model with the following two principal components. First, it structures information of each edition and their interrelationships at the metadata level. The structurization of ancient temporal information is also incorporated in to forge the chronological context of the editions. Throughout the modeling process, we utilized the CIDOC Conceptual Reference Model (CRM) is utilized for its adeptness at flexibly depicting complex events. Second, the textual variants within book contents are marked using the International Image Interoperability Framework (IIIF) , showcasing the evolution of editions at the full-text level. The Web Annotation Data Model is also invoked for its comprehensive annotation capabilities.

  • 石引 花明, 小野 永貴, 鈴木 佳苗
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 184-189
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     近年,博物館と学校が連携して子どもに教育を推し進めようとする博学連携に注目が集まっている.博学連携によって教育活動の充実化が図れ,博物館法や学習指導要領においても博物館と学校の連携を促す記載がなされている.

     博物館の一種である動物園・水族館(以下,動物園)では,学校向けの教育のプログラムを提供しており,園内で行う来館型のものだけでなく,学校で行う非来館型のプログラムも存在する.

     本調査では,動物園で行われている博学連携の一環として,出前授業,貸出教材,その他と分け,非来館型の学校向けの教育プログラムの情報公開状況についてウェブ調査を行った.

     その結果,137館のうち,非来館型の教育プログラムを行っているのは62館であり,その内訳として貸出教材を行っているのは25館,出前授業を行っているのは28館,その他は53館であった.

  • 佐々木 響希, 中小路 久美代
    原稿種別: 第32 回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 190-195
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     本研究では,市民自らが地方史統計データをインタラクティブに体験し,知的探索や触発を可能とする情報表現手法のあるべき姿を探究している.本論では,情報表現手法の一つとしてデータの物理化に着目する.データの物理化とは,データを物質の性質や形状を通して物理的に表現することで,グラフや図などの可視化された表現による体験だけでなく,ものに触れることによるデータの直感的な知覚が可能である.市民にとって関わりの深い土地や文化にまつわるデータを物理的に表現することで,市民が身近なものとして歴史を感じ,触発を促すような体験の実現を目指す.地方史統計史料のデジタルアーカイビングにおいては,特に市民との関わりの中で共創的に醸成されることが重要である.市民自らによるデータの校正や探索,結果の共有などの市民参加型プロセスの考察と,プロセスにおけるデータの物理化の位置付けや可能性について論じる.

  • 小川 歩美, 堀井 美里, 堀井 洋
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 196-201
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     合同会社AMANEでは,2023年より学術デジタルアーカイブ「AMANE Archives」を公開している.AMANE Archivesは,2024年3月時点で輪島市・奥州市の資料およそ6,500点が掲載されている.AMANE Archivesの目的は,学術資料の調査研究の逐次公開のほかに,デジタルアーカイブ環境の共有を通した地域との連携である.デジタルアーカイブ環境については,持続可能性や長期的な運用が課題となっており,特に地域資料においては地域の規模によってはデジタルアーカイブの公開が困難な場合がある.本発表では,AMANE Archivesについて,逐次公開を前提とした公開方法の検討や,地域と連携しながら持続的にアーカイブを運用する取り組みについて報告する.

  • 堀井 洋, 小川 歩美, 堀井 美里, 佐藤 琴, 小幡 圭祐, 榎本 千賀子, 櫻澤 孝佑, 高田 良宏, 大月 希望, 卓 彦伶
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 202-207
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

    日本国内には,多種多様な地域資料が現存し,それらは貴重な文化資源である.それら地域資料に関する情報を記録した地域資料データの中長期的な収集・保存・公開については,持続的な継承の核となる地域横断型データ共有基盤が未整備である.著者らは,次世代に地域資料データを確実に継承し,それらに基づいた学術研究活動を持続的に推進するための情報基盤の実現に取り組んでいる.本報告では,構想の概要と現在の構築状況について述べる.

  • 西澤 正己, 孫 媛
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 208-214
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

    我々はこれまでプレスリリースのソースとして,新聞社が作成するプレスリリース(日経テレコン21)のデータベースを利用してきた.しかし,近年,大学から出されるプレスリリースが大きく増加し,一部のプレスリリースしかデータベースに採録されなくなっている.近年,科学技術振興機構がプレススリリースのポータルサイト(Science Portal)を立ち上げ,登録された大学からのプレスリリースがシステマティックに発信されるようになっている.基本的に各大学のプレスリリースページへのリンクであるが,登録大学からの発信は網羅的に見ることができる.本報告では, Science Portalに登録されている一部の大学のプレスリリースを網羅的に調査し,日経テレコン21データベースおよび新聞社Websiteの日経プレスリリースの記事数との比較を年別に行った調査結果を報告する.

  • 品川 啓介
    原稿種別: 第32回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 215-221
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     経営学の主要理論の一つであるストラクチュアル・ホール理論をベースに新しい科学知識の発生過程を検証する.この理論では「思考の同質性を有する人々の社会的繋がりで構成されるクラスターと,それとは異なる同質性からなるクラスターが存在する場合,この二つを繋ぐ人(=ストラクチュアル・ホール)が現れると,そこに両クラスターの情報が流入し新規性のあるアイデアが生まれ易くなる」と解釈される.その一方でこの理論を用い,任意の自然科学分野で生まれた新概念(科学論文の著者キーワード)における共起関係の時系列的観察を行い,新規性のある知識が発生する過程を議論するものはない.そこで,青色LED開発におけるGaN結晶開発研究を対象に,著者キーワードが共起関係を築いていく推移を観察したところ,後にノーベル物理学賞を受賞する画期的研究に用いられた論文キーワードが両クラスター間のストラクチュアル・ホールとして現れることを発見した.

  • 保田 洋, 宇佐美 美紀子
    原稿種別: 第31回年次大会予稿
    2024 年 34 巻 2 号 p. 223-227
    発行日: 2024/05/25
    公開日: 2024/07/22
    ジャーナル フリー

     近年,データサイエンスに注目が集まり,文系・理系を問わず全ての大学生が初級レベルの数理・データサイエンスを学ぶことが求められている.しかし,文系学部においては特にデータリテラシーの科目の導入が課題となっている.本研究では,本学の文系学部におけるデータリテラシー教育の導入による履修者の意識および知識の変化について分析し,その結果より得られた課題を考察する.

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