情報知識学会誌
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選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 保田 洋, 川向 肇, 西村 治彦
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 30 巻 3 号 p. 299-311
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2020/11/06
    [早期公開] 公開日: 2020/05/08
    ジャーナル フリー

     限られた社員数の下,プロジェクトマネジメントに備える機会が少ない中小企業で,知識や経験が乏しい人材が知識体系化された方法でプロジェクトを進めるのは困難である.プロジェクトマネジメントの知識や経験が乏しい状況下でプロジェクトの失敗を防ぐには,支援のための新たなメソッドやツールが望まれる.そこで本研究では,中小企業に対して,失敗したプロジェクトの事例について内容等の収集を実施し,失敗要因の分析とカテゴリー化を行った.その結果を基に中小企業のプロジェクトができる限り失敗を回避できる対応策について検討した.

  • 小林 和央, 風間 一洋, 吉田 光男, 大向 一輝, 佐藤 翔
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 30 巻 3 号 p. 312-327
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2020/11/06
    [早期公開] 公開日: 2020/04/17
    ジャーナル フリー

     学術論文等の評価指標として,従来は論文の被引用数が用いられてきたが,近年ではオルトメトリクス(Altmetrics)などのソーシャルメディア上の反応を用いる方法も提案されている.本論文では,オルトメトリクスに用いられるような,インターネット上の論文に関するユーザの行動から求める論文検索サービス上の閲覧人数やソーシャルメディア上の言及人数などの論文の重要性を表す基本指標とは別に,論文がどの程度普遍的なものとして扱われているかを示す普遍度を用いて,論文の特性を分析する手法を提案する.実際に,2 年間のCiNii Articles の検索ログとソーシャルメディア上の論文の言及データを用いて,同一の論文集合に対する論文の閲覧と言及の違いや特性を分析すると同時に,提案指標の妥当性を検証する.

  • 柴田 大輔, 芳鐘 冬樹
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 30 巻 3 号 p. 328-348
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2020/11/06
    [早期公開] 公開日: 2020/06/05
    ジャーナル フリー

     本研究では,学術論文の引用を分類する際の課題について,分類実験を通して明らかにした.意義的,評価的,機能的,位置的観点それぞれから分類する際の区分肢を設定し,医学系原著論文30編から抽出した1,103箇所の引用に区分肢を付与する実験を行った.観点ごとの課題として,(1) 意義的観点は,引用箇所の周辺文を含む範囲の文章量が判断に必要であること,(2) 評価的観点では,間接引用であっても文中の肯定・否定の判断は可能なものの,周辺文まで考慮すると付与される区分肢に差異が生じうること,(3) 機能的観点では,区分肢同士の排他性を確保しにくく位置に依存する区分肢も存在することを見出した.また,判定に用いる文章の範囲が広ければ精度が上がる場合と,広さに関わらず判定できない場合があることを見出した.

  • 西川 開, 向井 智哉, 松木 祐馬
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 30 巻 3 号 p. 349-360
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2020/11/06
    [早期公開] 公開日: 2020/06/12
    ジャーナル フリー

     本研究では,違法ダウンロードの実態をより正確に把握することを目的に,日本の大学生を対象に質問紙調査を実施した.「違法ダウンロード経験の有無」について,直接的に経験の有無を問う質問紙と,回答者の回答内容を調査者にも分からないように設定し回答の匿名性を高める手法である間接質問法を用いた質問紙を用意し,両手法間で「経験がある」と回答する割合にどの程度の差がみられるかを比較した.分析の結果,直接的に質問した場合「経験がある」と回答した人の割合は29.1%,間接質問法を用いた場合「経験がある」と回答した人の割合の推定値は57.0%であり,その差は27.9%であった.本研究の結果は,直接的な質問方法を用いている既存の調査で示されるよりもはるかに広く違法ダウンロード行為が行われていることを示すものであると考えられる.

  • Wilem MUSU, Akihiro TSUCHIDA, Hirofumi KAWAZUMI, Nobuto OKA
    原稿種別: research paper
    2020 年 30 巻 3 号 p. 361-369
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2020/11/06
    [早期公開] 公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

     To perform mechanical recycling of massive amounts of waste plastics, we developed an identifier oriented on industrial use and based on Raman spectroscopy. For the purpose of designing a practical classification technique that is accurate, fast, and robust against external noise, a simple comparison of spectroscopic peak intensities is considered to be more useful than a complicated multivariate analysis. However, such peak choosing is carried out empirically so far based on expert spectroscopic knowledges. In this report, we successfully demonstrate the classification of three kind plastics using only two peaks that are selected based on support vector machine (SVM) of machine learning; three types of plastic, polypropylene (PP), polystyrene (PS), and acrylonitrile‐butadiene‐styrene copolymer (ABS), are categorized well even in the case of the large artificially generated noise conditions. We could choose automatically a set of two peaks among six sets of four peaks that become candidates in the Raman spectra. Margin values in SVM allow obtaining the decisive information on how to select the peaks in the spectra quantitatively, for distinguishing different types of plastics.

  • 吉川 次郎, 高久 雅生, 芳鐘 冬樹
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 30 巻 3 号 p. 370-389
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2020/11/06
    [早期公開] 公開日: 2020/07/10
    ジャーナル フリー

     Wikipedia 上での学術文献の参照記述の追加という事象を明らかにするための前提となる方法論として,参照記述の初出時点を特定するための手法を提案し,評価実験を行った.提案手法は,まず,参照記述の参照先を判定し,ページ情報,文献タイトル,識別子を取得する.次に,対象のページの全編集履歴およびページ本文に対して識別子または文献タイトルを用いた手法を適用し,複数の初出時点候補を取得する.最後に,候補から編集日時が最古のものを選択する.英語版のDOI リンクの初出時点データセットを基に評価実験を行った結果,精度は全体で93.3%,22 分野中20 分野で90%以上であり,研究分野を問わず概ね高い精度で参照記述の初出時点を特定できる手法であることが明らかになった.

  • 黄 善玉, 金 明哲
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 30 巻 3 号 p. 390-400
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2020/11/06
    ジャーナル フリー

     著者識別の分野では様々な特徴量が提案されている.例えば,日本語においては形態素の使用率,助詞の分布,タグのn-gram,文節パターンなどが著者の識別に有効であることが実証された.これらの特徴量は単語,品詞と文節を基本単位として集計したものであるため,著者が慣用的に使用する表現パターンを分析することが困難である.そこで,本稿では著者が慣用的に使用する表現パターン「機能フレーズ」を特徴量として提案し,著者識別における有効性を検証する.本稿では,著者20 名の計400 編の文学作品のコーパスを作成し,既存の特徴量(形態素,タグのbigram,助詞の分布,文節のパターン)と比較分析を行った.その結果, 提案した特徴量には,既存の特徴量に含まれていない著者の文体特徴が含まれており,著者識別に有効であることが実証された.

  • 岩田 修一
    原稿種別: 書評
    2020 年 30 巻 3 号 p. 401-402
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2020/11/06
    ジャーナル フリー

     データの時代と言われるようになってから久しいが、多種多様なデータの意味を味わい尽くし、それまで見えていなかった包括的な原理の発見につながった事例にお目にかかることは少なくなってきた。普遍性の高い原理に基づく高速計算、自動化された実験設備と機械学習を戦略的に活用したハイスループット手法、そして大量のデータと複雑系の類似性に依拠したスマートなアプローチに圧倒されて、データを眺めながら考えることを楽しむThink Slowの旗色は芳しくない。何か大切なコトを忘れてしまっているのではないだろうか?そのように感じていた時に固体元素に潜むミステリーの探索の経緯をまとめたThink Slowの楽しさ満載の書籍に出会ったので、以下、データの味わい方と題して内容を紹介したい。

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