2019 年 29 巻 4 号 p. 348-351
発表者らは,学術資料の調査・整理過程において生成される情報を,その進捗状況に従って順次公開していく“逐次公開”の考え方を検証するため,2018年8月よりOpen Repositoryの公開を実施している.“逐次公開”の意義をオープンサイエンスの観点からみると,調査・整理の段階から資料の存在が公に肯定されることで研究の根拠が明確となり,調査・整理データの生成過程が可視化されることで,調査・整理データの質・信頼性が評価されるという点がある.しかし,この学術資料が地域資料としても存在する場合,“逐次公開”を実践する際には,いくつかの問題が発生する.本発表は,この課題について考察するものである.