炎症
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CCAの免疫学的研究
山本 格大森 斉笹野 稔
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1981 年 1 巻 2 号 p. 281-286

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抄録
in vitroでマウス脾細胞を十分量の抗原SRBCの存在のもとに培養し, 4日目の抗SRBC PFCを観察する系においてCCA50~100μg/mlを添加すると, これを強く抑制することが判明した.逆に不十分量の抗原を用いた場合にはPFCの生成を促進した.一方, T cell非依存性の抗原であるDNP-Ficollに対するPFC応答に対しては, まったく影響を与えなかった. CCAにはそれ自身mitogenとしての活性はないが, T cell mitogenであるCon Aの幼若化反応を促進した.しかし, Bcell mitogenであるLPSの作用に対しては促進作用はみられなかった.マウスを用いたin vivoの実験ではCCA 10mg/kg経口投与により正常動物の抗SRBC PFCおよびTNP-HGG抗原に対する抗TNP-PFCを増加させたが, NZB/WF1マウスの抗SRBC PFC応答は抑制した
また, 正常動物のsccondary rcsponseの抗SRBC IgG PFC応答に対しては, これを軽度に抑制した.さらにcolchicineを処理し, suppressor機能を抑制し, 人工的に免疫応答を亢進させた動物にCCAを投与するとその応答亢進状態がもとのレベルに回復した.
以上, CCAは動物実験において, 免疫増強および免疫抑制の両作用を有し, 抗リウマチ剤としてのみならず, 免疫異常特にT cell異常に起因する免疫疾患に対し, 免疫調節剤としての有効性が期待できるものと思われる.
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© 日本炎症・再生医学会
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