炎症・再生
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重症virus-associated hemophagocytic syndrome (VAHS) の治療選択における血中サイトカイン測定の意義
高橋 隆室橋 郁生矢ケ崎 史冶川井 信孝松田 晃別所 正美
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2002 年 22 巻 1 号 p. 67-73

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抄録
Virus-associated hemophagocytic syndrome (VAHS) の多彩な症状は高サイトカイン血症に起因すると考えられている.予後は軽症例から重症例まで幅広く存在し, 適切な治療法の選択が困難な場合が多い.治療法には異常なサイトカイン・ネットワークを断ち切る免疫抑制療法, 増加したサイトカインを除去する血漿交換療法, 異常なリンパ球クローンを標的とした抗腫瘍療法などがある.筆者らは3例の重症VAHSにさまざまな治療法を用いた.そのうち2例で細胞周期特異性化学療法剤であるetoposideとcytarabine併用療法が著効した.
2例はINF-γが高値でTh1優位, 1例はIL-4, IL-6が高値でTh2優位で, 1例はEBウイルスが原因であった.重症VAHSは強力な抗腫瘍療法を念頭において治療すべきであると考えられた.
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© 日本炎症・再生医学会
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