Reproductive Immunology and Biology
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総説
精巣病理学者 畠山茂の残した日本人剖検所見が示唆するもの
平井 宗一伊藤 正裕
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キーワード: 男性不妊症, 自己免疫
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2012 年 27 巻 p. 7-13

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抄録
畠山茂 (1925―2007、東京医科歯科大学名誉教授) はヒト精巣を誰よりもじっくり観てきた病理学者である。同氏は、男性不妊症とは無関係に調べた397例 (病死159例+監察医務院急死例238例) の剖検所見から、(1)睾丸ほど自己免疫性炎症を頻発する臓器は他に類を見ないこと、(2)特発性造精障害の約70%は自己免疫症と関連していること、を自身の総説 (日本病理学雑誌73巻、3~29頁、1984年) で述べている。ここでは「いかに精巣が免疫学的に危うい臓器であるか」ということについて畠山の剖検報告と筆者らのマウスでの観察所見とを織り交ぜながら言及したい。
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© 2012 日本生殖免疫学会
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