2006 年 2006 巻 595 号 p. 595_137-595_155
先進諸国では要介護者の増加が見込まれているが,保険会社が特に高齢期の要介護状態を保障するような商品を提供しようとすると,価格が高くなってしまうという問題に行き当たる。
そうした課題について,米国では,個人年金と長期介護保障特約を組み合わせて終身年金と介護保険の逆選択効果の相殺を利用することで,より魅力的な価格で商品提供を行っている例がある。また,そうした組み合わせ商品を含む介護商品への優遇税制措置も検討されている。
一方,英国では一般的に重大疾病保険が要介護状態を保障しており,保険会社は重大疾病保険と死亡保障保険を組み合わせる(アクセレレーション)ことでより安い価格で商品提供を行っている。