保険学雑誌
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公共工事とボンド制度
草苅 耕造
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2007 年 2007 巻 598 号 p. 598_73-598_92

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抄録

この論文は,まず,信用リスクの意義,これを担保する保険制度を概述し,その中で,保証証券業務について保険業法上の位置づけを明らかにした。次に,公共工事の契約制度の現状と課題を指摘し,その解決の為,「市場による業者選択」が不可欠であることを論じた。この中で保証証券業務(ボンド制度)の役割の重要性を公共工事契約制度の変遷と共に説明した。現在まで完成保証人制度の廃止,新履行保証制度の導入,保証割合の拡大,入札ボンド制度の導入等一般競争入札を拡大する為の改善策が順次実施されてきた。しかし,入札ボンドの事前提出,前払金保証会社の実質的独占状態等依然未解決の問題がある。さらに,透明性,公平性,競争性の高い入札制度実施の為に必要な対策を指摘した。最後に,損害保険会社がボンド制度を通じ期待される役割を果たす為,何が必要かを論じた。

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© 2007 日本保険学会
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