保険学雑誌
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陸上保険契約法における因果関係論再考
―火災保険契約における保険者免責条項を素材として―
梅津 昭彦
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2007 年 2007 巻 598 号 p. 598_93-598_112

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抄録
保険金請求権者は,その請求に際して保険事故と発生した損害との間の因果関係を証明しなければならない。また,保険者は保険金支払を拒絶する場合の一つとして,保険者免責事由に該当することを主張し,発生した損害とその原因事実との間の因果関係を証明しなければならない。いずれにせよ,保険契約において保険金請求が認められるか否かは「因果関係」の存否が問題となる。そこで,因果関係論は,これまで海上保険契約においては整理・検討されてきたところであるが,本稿は,これまでの因果関係に関する理解を整理し,火災保険契約における保険者免責条項に限ってではあるが近時の判決例を整理・検討することにより,陸上保険契約における因果関係論を再考するための素材を提供する。
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© 2007 日本保険学会
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