保険学雑誌
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「保険販売の今後を考える」―創立70周年記念大会シンポジウム―
生命保険商品の比較について
樫原 英男
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2011 年 2011 巻 612 号 p. 612_73-612_86

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抄録

生命保険商品を選択する際の比較情報は,一般的な商品選択の場合と同様,消費者にとって重要かつ必要である。ただし,消費者ニーズが高い生前給付型商品は,負担可能な保険料水準を設定するために細かな支払事由が設けられるなど,旧来の死亡保障型商品と比して複雑なものとなっており,生命保険商品における比較を困難にする一因となっている。
この課題を解決する方策として,比較のし易さを優先すべく,商品を極力シンプル化するという考え方もあるが,その結果,実際に消費者の役に立っている保険商品の保障範囲を狭めることになれば,それは本末転倒である。また,不適切な比較表示により商品選択を誤ってしまった場合の再加入困難性といった生命保険商品の特性を踏まえると,保険会社は,シンプルかつ充実した保障内容を実現した商品を提供し,適切な情報に基づく商品選択が可能な環境構築に取り組むことが重要である。

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© 2011 日本保険学会
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