保険学雑誌
Online ISSN : 2185-5064
Print ISSN : 0387-2939
ISSN-L : 0387-2939
ARTICLES
フランス保険法の現状分析
笹本 幸祐
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 2011 巻 615 号 p. 615_167-615_184

詳細
抄録

2011年現在のフランス保険法典のうち,とくに契約法に関する部分は1930年7月13日付法からスタートし,法典化を経て現在に至るまで数々の改正がなされてきている。現行の保険法典の構造などの概要,そしてフランス保険法全体におけるこれまでの重要な改正として共通して指摘されているものの中からいくつかを採り上げて検討し,さらに近年のEU指令ならびにヨーロッパ保険委員会の法典がフランス保険法典に与えた影響について分析して,現在の保険事業に関する監督規制を調査した結果,フランスおよびヨーロッパの社会情勢を背景にした消費者保護法制の重要性が再認識された。そして,今後はフランスの保険法を研究するにあたっては,2009年に提案されたヨーロッパ保険契約法原則による影響をふまえたさらなる考察が極めて重要なものになると思われる。

著者関連情報
© 2011 日本保険学会
前の記事 次の記事
feedback
Top