抄録
インドの経済は近年著しく成長しており,世界2位の11億8000万人の人口を抱えていることから,巨大な保険市場として注目されている。
インドでは医療サービスが全国民に公平に行き渡っていない。公的医療機関では薬以外は無料で治療を受けることができるが都市部にしかなく,広い国土の農村地域には行き届いていないため,多くの人が民間医療機関で治療を受けている。現在医療費は上昇しており,医療保険の需要が高まっている。
民間の医療保険は主に損害保険会社で販売されており,実損填補の医療保険が主である。損害保険の中で医療保険は自動車に続く主力商品となっており,過去5年で3倍以上に増加した。しかし競争の激化と医療費の高騰から損害率が高くなっており,十分な医療費データと良質な医療機関のネットワークの確保が重要となっている。