抄録
インターネットを主たる募集チャネルとする「ネット生保」が営業を開始してから3年半が経過した。シンプルな保障性商品を低廉な保険料で販売するビジネスモデルが30歳代の若年層を中心に支持を集め,契約件数を順調に伸ばしている。もっとも,ネットを活用しても営業効率が直ちに改善する訳ではなく,マーケティング施策の巧拙が求められる。また,非対面による加入時のモラルリスクを防止することや,加入後の諸手続きにおいても契約者保護のために,様々な工夫が必要となる。今後,ネット生保以外の生命保険会社も,いかにしてインターネットを活用して顧客への提供価値を高めるか,検討していく必要があるだろう。