保険学雑誌
Online ISSN : 2185-5064
Print ISSN : 0387-2939
ISSN-L : 0387-2939
「保険事業とERM」―平成23年度大会共通論題―
保険会社のERMと監督当局の関係
植村 信保
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 2012 巻 617 号 p. 617_85-617_92

詳細
抄録

保険会社のERMの目的は,保険会社が自らの健全性を確保しつつ,企業価値を持続的,安定的に向上させることであり,本来は外部から促されて実行するのではなく,保険会社が自己管理の一環として行うべきものである。それにもかかわらず,監督当局がERM に注目するのは,企業価値の安定的な向上が契約者保護に資するという考えによる。多くの保険会社においてERMの構築は初期段階にあることを踏まえ,金融庁は「促進」型の検証を行い,当該保険会社にとって重要なリスクを踏まえ,細部にこだわらず,大くくりで検証することを目指している。さらに,保険会社の健全性規制のなかでERMを活用することも検討していくべきと考えている。

著者関連情報
© 2012 日本保険学会
前の記事 次の記事
feedback
Top