保険学雑誌
Online ISSN : 2185-5064
Print ISSN : 0387-2939
ISSN-L : 0387-2939
ARTICLES
酒気帯び免責条項に関する一考察
山下 典孝
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 2012 巻 618 号 p. 618_1-618_15

詳細
抄録
本稿は,酒気帯び免責条項の適用を巡り異なった解釈をとった大阪地判平成21年5月18日判時2085号152頁と東京地判平成23年3月16日自保ジャーナル1851号110頁,金判1377号49頁とを素材として,酒気帯び免責条項に関する法的問題を検討するものである。
酒気帯び免責条項を置き,飲酒運転を抑止するために,一律に免責を認めることは合理的根拠を持ち得ることである。様々な方向から,飲酒運転を撲滅することの一環として,酒気帯び免責条項が置かれているとする考え方も十分に妥当性を有するものと考え,私見の立場は,酒気帯び免責条項については,制限的解釈をすべきではないと考える。
著者関連情報
© 2012 日本保険学会
次の記事
feedback
Top