抄録
生命保険アンダーライティング学院(ア学院)は,来年創立40周年を迎える。この機会に当学院がどのような時代背景の下に,何を目的に創られたかを振り返り,その後の歩みとともに,今何が課題となっているかについても簡単に紹介することとしたい。
当時,生保業界も戦後30年を経て,少なくとも量的には欧米水準を凌駕するまでに復興成長していたが,営業職員体制は40万人導入・40万人脱落という大ターンオーバーの状況にあり,職員の平均勤続期間も6ヶ月に満たない悲惨なものであった。保険審議会50年答申でこの間の状況は明らかである。このような中で,建学者の故末高博士は,アメリカのACLU,CLU制度を範に,ア学院を設立した。その後40年,学院は業界に1647人のリーダー専門職員を輩出した。教養重視に軸足を置いた学院の特徴も好評を得たが,一方で,CLUとの比較では,専門科目の強化がこれからの課題になりつつある。