保険学雑誌
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「IT技術の進歩と保険事業の展開」―平成26年度大会シンポジウム―
保険事業のシステム化に伴う顧客情報の利活用と個人情報保護のあり方に係る法的課題
肥塚 肇雄
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2015 年 2015 巻 628 号 p. 628_51-628_70

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抄録

情報通信技術が飛躍的に進展し企業や公官庁はビッグデータを利活用してイノベーションを創出する機会がもたらされるようになった。保険事業のシステム化に伴う保険会社側の顧客情報の利活用もその例外ではない。このような状況は個人情報保護法の想定を超えており同法は個人情報の利活用の障壁となっている状況が生まれている。
そこで,同法の改正が現在議論の的となっている。検討されていることの一つは,個人情報の加工によって個人情報の利活用を促進することである。しかし法令により画一的かつ包括的に個人情報の利活用に対し規制することは,個人情報の多様性に鑑みると馴染まない。
むしろ各業種・業態または各領域・分野ごとに,個人情報の利活用に対する民間の自主的規制ルール等を策定することが妥当である。生損保業界においても同様に自主的規制ルール等を策定すべきと思われる。

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© 2015 日本保険学会
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