抄録
2016年4月1日の障害者差別解消法の施行に伴い,今,高等教育機関では,障害がある学生(以下,障害学生)に対する合理的配慮の対応が進んでいる。一方で,昨今は,障害学生の中でも,とりわけ発達障害がある学生が急増し,彼らの多くが自殺や消極的な休学・退学・留年に追い込まれている。保険は,それらに対して,何らかの社会的な貢献をしているのだろうか。
発達障害があっても,社会での活躍の場はいくらでもある。実務の視点で,水島(2006)「保険はすぐれて事前的性格をもつ制度」と,米山(2016)「マイナスのモラルハザード効果を考慮した保険」の融合に着目し,発達障害がある学生のための保険の意義を確認する。
保険は,現実社会で有効に機能させることが重要である。保険者は,すべての学生のための保険づくりを通じて,社会的な役割を果たすことができる。