2023 年 2023 巻 660 号 p. 660_25-660_43
SDGsは,社会が進むべき方向を示したもので,その推進において保険制度や保険事業は重要な役割を担えるかが問われている。保険は,生活や産業の安定や発展において重要な役割を担ってきたことは,その歴史を見ても明らかで,技術革新や社会の発展においても能動的な役割を担ってきた。しかし,一般には,事故後の補償・保障の機能については十分に理解されていても,社会課題の解決において重要な機能を有する点については,十分には認識されていないかもしれない。SDGsが注目される現在,保険の意義を改めて認識する契機とならないか。保険業界や共済団体では,すでに SDGsを踏まえ,社会課題の解決に向けた種々の取組みを進めている。社会課題の解決に向けた保険の意義を改めて認識し,関係領域との協働などをすすめることによって,保険学の意義も高まるのではないか。