保険学雑誌
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特集【保険業とDX】
DX時代におけるサイバー保険のあり方
—行動経済学の視点からサイバー保険の需要行動に対する検討—
王 学士
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2024 年 2024 巻 667 号 p. 667_55-667_86

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抄録

企業が直面しているDXを取り巻くリスクが増してきており,不正アクセスやウイルス感染,データ改ざん,情報漏えいなどといったセキュリティ対策の強化が,喫緊の課題となっている。サイバー保険の浸透が進んでいるものの,同保険の普及・拡大に向け,保険会社のさらなる一歩踏み込んだ取組みが求められる。本稿では,行動経済学と保険実務の間の新しくてダイナミックな相互作用を念頭に置きながら検討を加える。その際に,サイバー保険の需要(購買動機)について検討したENISA報告書の内容を概説した上で,保険(法)研究における行動経済学的アプローチを示し,その議論を参考にして,サイバー保険の機能の実現に向けた検討することによって得られる示唆を考察するように努めた。

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