抄録
昭和4年に全日本スキー連盟は,ノルウェーからノルウェー・スキー連盟の副会長ヘルセット大尉と他にトップ2選手を日本に招聘した.彼らは,広い地域で講習や講演などを実施した.彼らの活動に関する研究は,日本では行われてきたが,ノルウェー側では行われてきていない.
ヘルセットが日本での様子を祖国の新聞『アウフテンポステン』に送った記事は,多くの人々に興味を以て読まれたが,内容は分からないままである.ノルウェー・スキー界の偉人であり,日本のノルデックスキーの父でもあるヘルセットの人物史研究の上で,この内容について解明することは意義をもつ.
結論,4回の『アウフテンポステン』の記事は,1つ目に彼が日本で注目され,歓待され,多忙であったこと.2つ目に日本のスキー環境は大変良く,発展を望めること.3つ目に日本人は大変礼儀正しく,美しい国であること.この3点が柱となる内容であった.