抄録
2003年夏季に、バルグジン湾の成層構造把握のために蛍光光度計と濁度計を搭載したCTDによるグリッド観測を実施し、以下の結果を得た。1)通常は深度10-20mにある水温躍層が湾中央部で崩れ,変水層が数十mの厚みを示すことがある。2)そのとき表水層の高クロロフィル高濁度の水が数十m以下まで認められた。これらは表水層-深水層間の混合を示唆している。この現象は、高栄養塩濃度の水を深水層から有光層に供給し、基礎生産に影響するだろう。駆動力として、中央湖盆固有の長周期(35日)大振幅(ときに80m)の内部波が袋状のバルグジン湾の沿岸斜面で砕ける-ということが考えられる。湾の生物過程解明には、このような局地的現象の時・空間規模、発生頻度と物理機構の解明が必要であると主張する。