抄録
小氷期以後にヒマラヤ氷河の末端に現れた池沼は、その後の氷河の後退・縮小に伴って現在まで拡大を続けている。1960年代からは湖を支えているエンドモレーンが決壊し、平均して3年に1度ヒマラヤのどこかで決壊洪水が発生している。この発表では、1995年から2002年の間に観測された3つの氷河湖の観測結果を通して、湖水流動系の観点からその拡大機構について議論する。また、三湖での風系は共通しているにもかかわらず、吹送流の動きは三湖で全く異なっていた。これについては、3次元数値実験によって、湖の下流にあるエンド・モレーンの地形が湖面上風分布へ大きく影響することを示す。