抄録
夏期の氷河表面から生じる融解水は、多量の土砂と共に流出する。このとき,氷河内と氷河底にある流出経路の季節変化によって,流出特性自身も変化する.アラスカ・ガルカナ氷河におけるこれまでの観測から、その年の気象条件に依存して、流量と土砂流出量の両方が急激に増大する“イベント”現象が起こることがわかった。この現象の原因として、雨水と融解水の氷体内貯留が氷河底水圧を上昇させ、これにより堆積物を含む氷河底貯水槽の破壊が起きたため、と推測される。ここでは、観測で得られた流量と土砂流出量の時系列に対しタンクモデルを適用し,その再現を試みた.このとき,氷河底貯水槽の破壊に対するタンクを別個に設けることで,再現性が高められた。