抄録
山地二次河川で瀬を対照にユスリカ幼虫の調査手法の検討を行った。このサンプリング単位では、流速や水深などの環境因子の影響は少ないと期待される。50cm角の区画内の石すべてを、絶対位置を記録しながら採取し室内に持ち帰り、それぞれの石に付着するユスリカ幼虫の種別の個体数を調べた。このデータに基づき16の方形に仕切った場合には、Iδ(95%信頼限界)は1.01_から_1.55、m*/mは0.98_から_1.40となり、幼虫はコドラート内でランダム分布している、という仮説を棄却できなかった。石を単位とした幼虫の分布集中度はIδ=1.3_から_2.6, m*/m=1.3_から_2.6となり、石単位においてはユスリカは集中分布していた。どこから、どれだけの個数の石を拾えば代表性のあるサンプルになるか等について検討する。