抄録
石面付着層の付着や剥離はどのように起こるのだろうか。2001年に当研究室の山城が単離したNitzschia paleaは、採取地点や採取時期により培養中のフラスコ面に付着する状態が異なった。これらの珪藻に付随する細菌を同時にプレートに接種した時、コロニーの周りに阻止円を形成するものがあり、その培養ではフラスコの内壁にほとんど付着膜ができなかった。この細菌が他の細菌を抑制することが付着層の剥離と関係するのではないかと考え実験を行った。珪藻の培養液から得られた阻止円形成能のあるW201菌株とこの菌株に強く阻害を受けるY201菌株を用い、相互関係から石面付着層の剥離機構に関して考察する。