抄録
河川砂州(砂礫堆)には,河川流路から切り離された止水域“タマリ”が存在する。タマリにおける,栄養塩現存量や藻類現存量の季節変動を明らかにすることを目的として,木津川の砂州において,月一回の頻度でタマリにおける栄養塩ならびに藻類現存量を調べた。 2002年度は,7月の増水の後は,比較的規模の小さい増水しかなく,タマリが形成される場所は年間を通じて変化が少なかった。タマリの底生藻類現存量は,夏季に低く冬季に高くなる傾向が見られた。一方,浮遊藻類の現存量の季節変動は明らかではなかった。栄養塩現存量は,年間を通じてたまり間の差が大きかった。無機窒素は,冬季に比較的高い現存量であった。