抄録
名神高速道路の天王山トンネル増設工事の後,タケノコの減収,品質低下が発生した。対象地点と比較地点で気象,地下水,土質,土壌水分などの調査を実施した。4深度で測定された土壌水分から各対象地点での積算土壌水分量を求め,比較地点のそれとの比を求めた。時間と場所について単純平均した値は0.85プラスマイナス0.11で,水分欠損が発生したと言える。比較地点では深さ1.5mでの土壌水分フラックスは常に下向きであるが,対象地点の多くでは乾燥期に逆転し,地下水が毛管帯を通じて土壌水を涵養する形になっている。そのため,トンネルによる地下水低下後は土壌水分のレベルが維持できなくなったものと思われる。