抄録
富栄養化した湖沼では水温が上昇する夏期に藍藻類(Microcystis属)が大発生してブルームを形成する。Microcystisが生産する二次代謝産物であるmicrocystin(以下MC)は、生物に対してさまざまな作用を示すと報告があり、脊椎動物では肝臓毒性を持ち、高等植物では成長阻害などを示す。MCは溶藻などによって細胞外に溶け出し、湖水中に溶存する。松本市神田の千鹿頭池流域ではMicrocystisを含んでいる水を用いて稲作が行われているため、MCによる影響が懸念されている。そこで本研究では、野外でのMC濃度を測定し、室内曝露実験を行なうことで稲作におけるMCの影響の有無を調査することを目的とした。