北日本病害虫研究会報
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宮城県におけるキュウリ地上部病害に対する各技術を組み合わせた防除の検証
近藤 誠
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2018 年 2018 巻 69 号 p. 13-19

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抄録

キュウリ施設栽培では,発生する病害が多く,薬剤防除の散布回数が多くなるため,薬剤耐性菌の発生リスクが高く,化学合成農薬だけに頼らない環境負荷を軽減した防除対策の構築が求められている.宮城県において循環扇,成分カウントされない農薬,褐斑病耐病性品種を組合せた防除体系により,うどんこ病および褐斑病の発病抑制効果を検証したところ,安定した発病抑制効果は得られなかったが,循環扇と硫黄くん煙処理の組み合わせや,褐斑病耐病性品種を活用することで,成分カウントされない農薬の利用により化学合成農薬を節減した防除体系を構築しうる可能性が示された.ただし,安定的な防除体系を構築するためには,発生初期の農薬の選択について引き続き検討が必要である.

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© 2018 北日本病害虫研究会
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