日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
Print ISSN : 1344-8668
ISSN-L : 1344-8668
論文
日本における大学生による大学図書館および公共図書館の利用傾向の比較
西浦 ミナ子佐藤 翔安保 浩輝小川 萌外間 玲美渡邊 珠生原田 隆史
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2025 年 71 巻 2 号 p. 113-134

詳細
抄録

 本研究は,日本の大学生による大学図書館と公共図書館それぞれの利用傾向を比較することで,その実情を明らかにすることを目的とし,2023年11月に調査会社(株式会社クロス・マーケティング)に依頼し,ウェブ上で質問紙調査を実施した(有効回答1,000件)。結果から,①全体的に大学生は公共図書館よりも大学図書館を利用するが公共図書館の利用率も低くない,②各図書館の利用には,所属大学の規模・種別,学問領域別の傾向が一部見られる,③併用する大学生は“library-hopper”に類似する図書館利用行動を取り自主的に学習の幅を広げる傾向にある,ことなどが明らかになった。また今後,大学生を公共図書館の利用者グループとして認識・検討し,大学生が地域あるいは社会に付加価値を与える存在となるよう支援していく余地があることが示唆された。公共図書館と大学図書館は情報をシェアし,協力することで,より一層の効果を生み出すことが期待される。

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top