日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: P_III_
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ポスターセッション_III_
「ワン!ぱくっ子サマースクール」の試みに関して
*菅原 美保中村 透
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抄録

財団法人日本盲導犬協会仙台訓練センターでは、平成15年より視覚に障害を持つ子供を対象としたサマースクールを開催している。大自然の中、子供達は虫を探して走り回ったり、ゲームの勝敗に一喜一憂したり、涙が出るほど笑ったりと生き生きとした表情を見せていた。「ワン!ぱくっ子サマースクール」とは、「さまざまな体験することで自分の可能性を再発見すると同時に、多くの人との交流をはかり共に楽しむこと」を目的とし、視覚に障害を持つ子供のみではなく、その両親や兄弟にも参加してもらい、3泊4日の泊り込みでいろいろな体験をしようというものである。参加した視覚障害児は盲学校に通う児童ばかりではなく、弱視学級に在籍している児童、普通学級に在籍している児童など幅広く、保有視覚も個々さまざまである。内容としては、野菜の収穫、渓流釣りなどで自然を体験したり、買い物や調理、犬の手入れや盲導犬との歩行体験などさまざまである。その中で、実際に包丁を握ったり、マッチを摺ったり、魚をさばいたりという経験をした。基本的には親兄弟ばらばらのチームを作り、子供同士がペアを組んで行動し、寝る時も親とは別の部屋で子供たちだけで泊まった。普段は自分の親や兄弟が常にそばにいる状況で生活している子供達が親と離れて活動することで、自分自身で考えて行動したり子供同士協力して活動できるようになることを目指した。また、親は自分の子供とは別のチームで行動し、できるだけ手や口を出さずに見守るというルールのなかで生活することで、自分の子供を客観的に見る機会を得られるようにした。そのよう中で得られた参加児童への効果、親への効果などを考察したい。

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© 2005 日本ロービジョン学会
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