主催: 日本ロービジョン学会, 視覚障害リハビリテーション協会
【目的】
混濁下での視機能および羞明の評価を目的に白濁の程度の異なるフィルタを試作した。このフィルタの作成方法と分光透過率について報告する。
【フィルタの作成方法】
屈折度数ODである同一の眼鏡用プラスチックレンズを粗さの異なる5種類のサンドペーパーをかけることにより5段階の白濁フィルタを作成した。シミュレーションゴーグル(高田製)に装着して使用するためフィルタ径はゴーグルの径に合わせた。
【フィルタの分光透過率】
各フィルタとも360nm以下の波長では透過していなかった。360nmから400nmの間でほぼ線形に透過率が上昇し、400nmから800nmの間ではほぼ同一の透過率を示した。この透過率特性はおもに眼鏡レンズ素材に起因すると考えられる。
【考案】
可視光線領域で分光透過率が一定である5種類の白濁レンズを用いることにより、波長特性を持つレンズの評価が可能となり、従来自覚的な評価に留まっていた羞明の計測や波長特性を持つレンズの評価に有用であると考えられる。